日本では以前から、西洋式の医療技術を用いるのが病院治療の基本でした。化学物質となるお薬を服用するほか、手術による外科的な処置が基本で、自然由来の回復を促す処置はさほど重要ではないと考えられていたものです。その点、先進国のアメリカでは科学と自然を上手く使いこなす文化があり、先住民族が大切にしてきた米国の自然医療も取り入れる病院が多いのがポイントです。
そのうちのひとつとなるのが「マイヤーズカクテル点滴」で、今では日本でも導入をされました。簡単にマイヤーズカクテル点滴について概要を述べると、線維筋痛症という先天性慢性疾患を治療するのに高い効果を発揮するものです。マイヤーズカクテル点滴はいわば、天然の恵みを100パーセント取り入れている植物の原液を、
点滴にしてわれわれ人間が取り込むものです。
米国の自然医療ではとくに高い人気を誇っており、ニューヨークとサンフランシスコでは、大学施設に専用の外来を設けて対応にあたっているほど、幼いお子さんから持病を抱える高齢者でも、
なんら副作用を併発することもない安全な医療となりました。国内でも同様で、おもに整形外科・
神経内科で実施をされているものです。
マイヤーズカクテルの魅力と対応疾病
1990年後半から、日本の厚労省でもマイヤーズカクテル点滴を認証されるようになりました。
当初は先進医療に組み込まれていたものの、現在では公的保険が適用となっているので3割負担のみで処置を受けることが可能です。
簡単にマイヤーズカクテル点滴の概要を述べると、先天性慢性疾患である難病に線維筋痛症を治療することができます。この疾病は太ももから背中・腕などの筋肉が炎症を起こし、身動きをすると激痛を覚える病気です。遺伝性とも考えられており、罹患した際はALSと同様に難病指定・障害者保険の給付を受けられるものとなります。
以前は治療をするのが困難で、痛み止めの処方程度しか打つ手がありませんでしたが、1970年にアメリカで実施をされたマイヤーズカクテルの点滴で、改善が見込まれることが学会の発表で明らかとなったわけです。マイヤーズカクテルとは、天然のハーブのエキスを配合した薬草です。
古くはネバダ州で暮らしていたラテンアメリカの先住民族の民間療法でしたが、繊維筋痛症を治療するための切り札となりました。国内ではまだ大学病院など一次指定医療施設でしか実施をしていませんが、今後は施設も増える予定です。